沙漠の植樹

川崎 享子

 見上げた空は静かでとても美しかった。何時も見慣れているブルーなのに何処か違う。「モア・グリーン・ゴビ税理士の森基金」の植樹に参加して沙漠植樹運動の一端を担った。今回は13回目。今まで12回に渡って植樹された場所と異なり、奈曼旗という全く新しい場所の植樹となる。地元の高校生70余名と共に用意された松の苗木を植える。水は地下30mの深さからポンプでくみ上げ、それをバケツで運ぶ。松は意外に早く植え終わり、次に植樹の位置を定めながらサシの苗木を植えた。学生達は目がキラキラとして、女子も男子もよく働いている。
 広いトウモロコシ畑に続く果てしない荒涼の土地。緑はないが沙漠という思いこみに反して土の匂いを感じられる様な気がした。しかし冬ともなれば砂移動のある砂一面の沙漠となる由。若々しい次世代にエールを送り、これから30年間植え続ける植樹地の入口に立てた事にささやかな満足感を覚えた。