モア・グリーン・ゴビ

藤澤範啓

 一昨年の第12次植樹訪中以来、2年ぶりに植樹活動へ参加させていただいた。
  前回のダラトキ、トンション地区から西へ1000q離れたナイマンキ地区が今後の植樹活動の拠点になるとのことであった。
  中国東北地方の大都市、瀋陽からバスで揺られること10時間近く、陽もトップリ暮れた頃ようやくナイマンキの町に到着した。
  翌日、作業の支度を整え、バスで植樹場所へ向かった。バスを降り、とうもろこし畑の間の凸凹道を歩いていると一団の少年の群れに追い抜かされた。赤、青の大きな旗を先頭に秩序よく行進していた。今日の植樹活動を共にしてくれる少年たちである。
  植樹場所は、広々した砂地の一角で草のような灌木がチラホラ生えているところであった。松の苗木が既に用意されていて、我々がスコップを手にすると少し離れたところで行儀良く整列していた30〜40名の少年たちが一斉に動き出し、瞬く間に植樹位置の目印を付け苗木を側に置いてくれた。スコップで砂地を掘り下げると傍らの少年が松の苗木の根を包んでいるビニールを取り外し、穴に据え、土をかけると別の少年がバケツの水をタップリ流し込んでくれる。言葉は通じないが身振り手振りで会話しながらの楽しい共同作業であった。
  孫のような子供たちとのひと時の植樹作業は、はるばる海を越え隣国まで来た甲斐があるといえよう。日中友好の草の根活動が今後も末永く続くことを期待してやまない。