植樹訪中団に参加して
 
宇津木 一 郎


 感動した! すばらしい事業を、していたのですね。10年間続けると、こんなにも結果が残せるのですね。
 防砂林の効果が期待できるのは、まだ先の話でしょうが、少なくとも現地は、砂漠でも砂丘でもありませんでした。日本によく有る、荒地のイメージです。植樹した場所は、既に雑草を刈ってありました。この事が、画期的なのだそうです。というのも、私は初めてですが、以前この地を訪れた方は、砂丘そのものであったと言うのです。穴を掘るにも、砂場の様で、周りの砂がどんどん崩れてきてしまったという事でした。
今回は、表面から10p程までは、根が張っていました。60pも掘ると、湿った砂が出てきます。団長が木陰で休んでいる時に「木陰が出来るとはなあ〜」と言われたのが印象的です。そうです、以前その木を団長が植えられた頃には、その付近に日陰というものは、存在していなかったのですから。この森を管理するために、井戸も掘ってもらいました、池もありました。現状でも、この地の砂は、もう動かないでしょう。しかし、飛んで来る砂を止められるようになるのは、今回連れて行ってもらった子供たちに、頼らなければならないのでしょうか。
 もう1ケ所は、丘の上です。雨水を貯めるために掘ってもらった穴に、松の木を植えます。既に穴が掘ってあるのだから、楽な作業かと思いましたが、硬い所があるのです。ツルハシの出番です。作業の合間に周りを眺めると、なんと! 遠くの方まで同様の処置がされているのです。その全部が、この基金の行う事業で無い事は明白です。現地の人たちを動かした! この事が重要なのだそうです。   
 それには、お金を出すだけではなく、実際に日本から作業をしに行く事が必要なのだそうです。そして、継続すること。松の木は、3〜4年前に植えた物でも、大して大きくなっていません。穴から頭が出たかなという位です。しかし、ほとんどが根付いていました。楽しみですね。10年後が。
 地元青年会の方々との交流会の時、外で雨が降りました。日本的な表現で言うと、バケツをひっくり返したような雨でした。15分間も降ったでしょうか?なるほど、丘も削られますよ。しかし、穴が掘ってある所にとっては、恵みの雨となるのです。