第7次植樹訪中団に参加して
 
深澤 久子


 16年7月16日〜20日迄の5日間、第7次植樹訪中団のメンバーとして主人と一緒に参加させて頂きました。
 普通の観光と違い準備する服装にも戸惑いを感じ、何を用意して行ったら良いのか見当がつきませんでしたが、事前の説明会でお聞きして少し様子がわかった状態でした。
 出発した日はダラトキまでの移動に費やし、2日目、いよいよ植樹の日です。砂漠に植樹と聞いた時、うさぎや羊が新芽を食べてしまう等の話を聞き、とてもひどい状態だと想像しておりましたが、実際に行った場所は砂ばかりの砂漠と違って、前に植えた木は根付き、木陰が出来るくらいの葉も繁り、風が吹けばそよそよと木々をならしておりました。木を植えなければ荒れ地のまま砂漠化してしまう土地だそうです。日本でも河原の様な痩せた土地に生きる様な雑草が見うけられました。そこに木を植える事により、人間の手が加えられれば立派な林が出来、長い年月には森林となってゆくのだと思い、自分達の参加した事がとても有意義に感じられました。
 税理士の森の管理人であるトルーマさん宅での昼食の御馳走は、肉とじゃがいもの煮込み料理、羊の乳の入ったスープと御飯、食前の手作りのつまみも心がこもっており、美味しさが伝わってきました。
 現地での学生さん達は、丁度夏休み前のテストが始まっており、参加して下さった人は男女合わせてわずか5人程でしたが、皆明るく真面目そのものの感じの若者達でした。
 18日の植樹地は、オルドス台地と呼ばれ、海抜1400m〜1600mあるそうです。黄土高原から支流の川を流れ下り、土砂が黄河へと流れ込んでいる場所との事で、毎年大量の雨量により崖崩れによって地形が変化してしまうとの事でした。その台地の姿をとどめる為に大きく根をはる松の木が選ばれて、後に大木となり松林の出来る事を願って植樹をしました。
 当日は日曜日とあって、いつもはあまり姿の見えない村人達が大勢集まってお手伝いをして下さいました。言葉は通じなくても何時間か一緒に仕事をしているうちに笑い声も出て、和やかな雰囲気で植樹する事が出来ました。
 傾斜のある台地での植樹で雨を上手に利用する人間の知恵は素晴らしい考えだと感動いたしました。今迄に植えた松の木が皆元気に育って真夏の太陽が照りつける台地に青々と根付いている様を見て涙が出る思いでした。
 本当に有意義に過ごす事が出来た5日間でした。色々お世話下さいました日本産業開発青年協会の太田さん始め団員の方にお礼申し上げます。本当に楽しい旅を有り難うございました。あのオルドスの台地の一番高い処に建てられた石碑がいつまでも輝いております様に・・・