念願かなった植樹活動

遠藤 みち

 かねてから、一度は行きたいと思っていたゴビ砂漠、第13次植樹訪中団に参加することができた。早朝7時集合、北京到着後、天安門広場から故宮。故宮博物館を3時間近く見学したあと、夜行列車に揺られて翌朝に内モンゴルの「奈曼旗」(旗は市より下の行政区)に到着した。今夜泊まるホテルで朝食をしてから身支度を整え現地に向かうという強行軍(?)だったが、まず、村長さんのお宅を訪問してから「糧賀所」で昼食のおもてなしを受けた。肉じゃが、モツの煮込みなど何種類ものご馳走があった。翌日のパオでのお昼は儀式付きの羊の丸焼が饗されたが、モンゴルでは、羊の肉は最高のおもてなしだそうで、動物を捌くこともあってか食事作りは男性の役目とか、ひと抱えもある大きな鉄鍋があり、5〜6人がかりで作ってくださった。
  元気を得た私たちは、玉蜀黍畑や雑草地の中の砂道をバスで進み、道が細くなったところで降り20分ぐらい歩いて、今回から新たに始める300haほどあるという植樹地に到着した。ゴビ砂漠自体は日本の本州ほどあるという。砂漠といえば、「月の砂漠」「駱駝」といった連想しかなかったが、ここは地下水も出るので植樹をすれば育つところである。「ゴビ」とは本来「荒地」という意味でもとは草原であったが、多くは過度な放牧により砂漠化してしまったので、現在は規制されているという。何しろ、モンゴルの人口は270万人(2009年)に対し、馬、牛、ヤギなど家畜の合計数は2796万頭(2005年)もいることからも頷ける。
 これからのために、井戸が掘られてあり、水を汲み上げる音が鳴り響いていた。地元の中学生100人ほどが応援に来てくれ、大変な水運びはすべてしてくれた。見たところ日本の学生と変わらない、改めてアジアの同じ仲間だということを痛感した。お陰で松50本と砂棘という苗木300本の植樹を行うことができた。これらが根付き、5年、10年の間にどのように育つのか。これまでに先輩たちが植えた木は立派に成長しているそうだが、全く別の地域なので、残念ながら見ることはできなかった。
 ここも、これから毎年30年間にわたり基金で植え続け、その間の管理は地元の方がたにお願いし、この地域が緑化され税理士の森と成り、美しい地球環境の維持にいささかでも貢献できることを願って、学生たちとの別れを惜しんだ。