「砂地から草原へ」を夢見て

奥脇 文子

 当初、第13次植樹団にお誘い頂いた時、正直、不安と戸惑いを感じました。しかし、自分では決して企画しないこの植樹活動に参加する機会を通して、モンゴル自治区と今の中国に触れてみたいとの思いで参加を決めました。
 今回の植樹地は、通遼市・奈曼旗・大秘他拉鎮・昴乃村(ツウリョウシ・ナイマンキ・ターチーハラチン・ダイナインス)という場所です。
 モア・グリーン・ゴビ税理士の森基金は、今後、30年間に渡りこの地を元の草原に戻すという壮大な計画です。砂漠の緑化は苗木を植えるだけでなく、その後、水、肥料を与え、家畜の侵入を防ぐ等の管理も重要です。そのため、その管理を昴乃村に委託する調印式も行われました。
 9月16日、北京北駅から夜行寝台列車に乗り、翌日17日の朝、奈曼旗駅に到着しました。昴乃村までバス移動でしたが、道はきれいに舗装されていました。現地に近づくにつれて周りはとうもろこし畑とたまねぎ畑です。あれ、何処が砂漠化?
 午後からいよいよ植樹活動です。現地では既にいくつかの穴が掘られていました。植樹を手伝ってくれる学生を待つことしばし。彼方から彼らの姿が見えると皆で拍手で出迎えました。今回の植樹は、松と砂じを約300本です。大変だったのは水運び。この仕事は主に男子学生がやってくれました。シャベルで穴を掘り、砂じの苗木を1本ずつ埋め水を注ぐ作業は、結構大変で時間がかかりました。
 この苗木がやがて大きく育ち、この昴乃村の砂地がかっての草原に変貌するにはどの位の年月が懸かるのでしょうか。「草原に風がそよげば羊が見える」、そんな風景を夢みて植樹活動に参加できたことに感謝、感謝です。