沙漠を緑に

山岸 徹

 今回第14次植樹訪中団を派遣、無事植樹活動を実施し、なんとかバトンを繋ぐことが出来たのではとホッとしている。
  基金内部では、今年度は3月の東日本大震災を配慮して、内モンゴルの植樹活動は自粛して、国内の問題である大震災の復興に役立つ活動に取り組むべきではないかとの意見もあった。協議を重ね、東日本大震災に対しては基金として義援金を支出、有志役員個人分と併せて送ることとし、植樹活動は予算規模を縮小し実施することに決まった。活動を継続することが大事であり現地との契約の関係からも第14次植樹団を派遣することにしたのである。
  ところが、募集を始めたところ、例の中国の列車事故が起きそれが大々的に報道され参加希望者が集まらない。今回は移動に中国新幹線を使うことになっていたため断念した方も多数いたようで実施が危ぶまれたが、東京会の岡田副会長が会務の都合で参加は困難であったなか、1日遅れで昨年に続いて、家族ぐるみで参加してくれ、関係各位のご努力もいただき何とか11名の参加者を募ることが出来た。
  昨年第13次から北京の北北東、内モンゴル自治区奈曼旗に活動地点を移して今回が2回目、運転手が道を間違えなかなか着けないほど奥地で奈曼旗賓館に到着したのは7時を過ぎた頃。翌日、早速勇んで植樹活動。村長、青年連合会書記をはじめとする青年幹部、奈曼旗職業中学校の生徒30人と協同して砂地に松の苗木を植える。砂場に穴を掘るようで掘ってもまた崩れてきてなかなかうまくいかない。水は一か所だけ、パイプでくみ上げたものを中学生が運んでくれる。途中で地元テレビの取材を受け、第12次までのオルドスの植樹から今回までの経緯、活動状況をアピールする。何とか無事松500本の植樹を完了。とにかく水のないところなので、村長にくれぐれも水遣りを十分にして欲しいとお願いして松の苗木が活着してくれることを祈りながら植樹地を後にした。うれしいことに今回の参加者も自分の植えた苗木が何年か後に立派に育っている姿を見たいのでまた時機を見て参加したいと言ってくれた。植樹活動を支えてくれる会員の方々に感謝を申し上げ、この活動が第15次、第20次と継続していけるよう微力を尽くしていきたい。