憧れの沙漠へ
団員/内山 陽子

 真っ暗な空、ひんやりした空気、東京から上海、北京と飛行機を乗り継ぎ包頭空港へ辿り着きこの旅は始まりました。それからの5日間の光景はラクダのキャラバン、ロバの引く荷車、連結車両の石炭トラック、ポンポン三輪車、100年分の石炭埋蔵量があるという世界一の露天掘り、巨大な火力発電所の煙突、泥色の黄河に浮かぶ浮橋、眼に映るものは驚きの連続です。
  乾いた大地には少しずつたゆみなく植樹されたポプラと松の樹が整然と並び、広がって行きます。砂の沙漠では70aも掘ると湿った砂が現れ、ひょろひょろの苗を僅かな湿り気で育む自然の力強さを感じます。植樹に協力してくれた子供たちの笑顔と真っ直ぐな瞳、存在感に溢れた現地の方々、トルーマさんの奥さんがもてなしてくれた素晴らしく美味しい羊の肉じゃがの味、忘れてしまった大切なものを想い出させる感動の旅でした。
  憧れの沙漠に降る星空を見ることは出来なかったけれど、また訪れたいと思います。自分の日常からかけ離れた素晴らしい体験を与えて下さった皆様に心から感謝しています、有難うございました。