ラクダのコブを撫で撫でし、心地よい初体験
山岸 千代子

 私が待ちに待ったモンゴルの家、そこへ昼食に行った。回りには家がなく、赤レンガ塀に囲まれている。門を入ると左手に簡単な筒のような手押しの井戸があって、砂漠だというのに水が冷たい。右手には別棟の調理場があって、きれいな模様の付いた洗面器で手を洗ってから、左手の母屋に入る。
  家の床は土で作られていて、入ると先ずテーブル、その奥にはソファとテーブルがあった。隣の部屋は1メートルぐらい高くて、畳が横に5〜6枚並んだ大きさである。ここで寝泊まりしているようで、布団がきれいにたたんであった。テーブルは小学校の机みたいに小さくてかわいい。
 昼食は羊の肉とジャガイモの煮物。(聞くところによると、朝に羊をしめて、塩で30分ぐらいまぶしてジャガイモと煮るらしい。)羊の肉とジャガイモを煮るだけの簡単な料理だけど、みんなで骨までしゃぶるように食べに食べた。そして器がきれいになると何度でも羊の肉を入れてくれた。
  思い起こせば、あの日曜日、茗荷谷にある公園で太極拳を終えてから、お友達とお茶を飲んでいた時のこと。小早志さんが「モンゴルへ植樹に行かない?」と誘ってくれた。他のみなは黙っていたけれど、私は「行きたいね!」と一言。モンゴルが何処にあるかも知らない私だったのですが・・・。もう気持ちはすっかりモンゴル。広い砂漠に植樹、そしてモンゴルの家、その家に住む人々に会ってみたい。
  9月17日、ダラトキからバスに揺られて砂漠をウオッチング。砂漠ではラクダに乗るのが当たり前ですが、私は犬、猫、鳥も触れないので心配だったけど・・・小さな山々が並ぶ砂漠、その間をラクダに乗って行く。初めはラクダのコブが気持ち悪くて持ちづらかったのですが、時間が経つとコブもだんだん持ちやすくなり、かわいさまで湧いてきて、知らぬ間にこんな歌を口ずさんでた。
〜月の砂漠を〜はるばると〜旅のラクダが行きました〜
  モンゴルでは昼食、夕食は同じ料理が必ず出たが、ここの羊の肉だけは本当においしい。他にもトマトやスイカがあるけれど、こちらも甘くておいしいし、牛乳を固めたようなチーズも最高。テーブルに並びきれないほどの料理を、本当にたっぷり食べた。また、あの羊の肉が食べてみたい。