ゴビ沙漠の植林

菊池 修

 十月に、中国内蒙古自治区のゴビ沙漠に植林に行ってきた。この内蒙古自治区は、面積にして日本の約三倍、人口は二四〇〇万人で都市部を除いて蒙古人が大半を占めており、特に農村部では、「包(ぱお)」なども眼にすることができ、モンゴルと勘違いしそうである。また、ゴビ沙漠は、モンゴルから内蒙古自治区に広がる広大な沙漠であり、税理士の森基金として行っている植樹は、その南端のほんの一部に過ぎない。しかしながら、第一回目の植林地は既に五メートルを超すポプラが生い茂り、野うさぎが跳び回り狸の穴も随所に見つかった。今回の植林は、初日にポプラ二百五十本、二日目に松二千五百本を植えたが、いずれも地元の青年団、高校生、農民の参加を得て、有効を深めながらの作業であった。
 ところで、中国では国家事業として植林を推進しており、その規模はとてつもないようである。少し高台に上がると、見渡す限りの松やポプラ、砂柳といった砂地に強い木々の林が広がっている。改めて大陸の広さ、中国の大きさを思い知った。
  十一回目を迎えた基金の事業も、規模的には小さいものであるが、継続こそ力であり、樹木とともに着実に根を下ろしているようである。