第12次植樹訪中団に参加して

藤沢 範啓

 北京から1時間ほどのフライトで内モンゴル自治区の都市、パオトウに降り立つ。
  さらにバスで揺られること1時間、目的地のダラトキの町に入った頃は、夜もかなり更けていた。
  第1日目の午前中は、以前植樹された「税理士の森」の見学をした。見上げるくらい高々と枝を広げた林に分け入り、立派に育ったポプラの木々に感嘆の声を上げたのは、私1人だけではなかった。
  午後、いよいよ植樹が始まった。沙漠の外れの草と灌木がちらほら生える砂丘の一画にポプラの苗木を全員で植えた。スコップの取っ手が隠れるくらい掘り下げ、掘り下げして息が上がってきた頃、300本のポプラの苗木は整然と砂丘の上に列を成していた。
  2日目は、トンションの町へ移動した。この地でも以前の植樹地の見学をした。小高い丘の上から延々と続くなだらかな丘陵の果てまで、見渡す限り整然と植樹されている光景は、驚きと共に感動さえも覚える。
  午後、植樹活動に入った。目指す丘の上に男女の高校生の一団と地元の農家の方々が我々を迎えてくれた。早速、松の苗木を植える。長方形の植え穴が既に掘ってあり、その中央に苗木の根がスッポリ収まる穴を掘り下げた。土が硬くて結構大変である。穴が掘れると女子高校生が苗木を手渡してくれて、次に農家のおじさんが根を包んでいるビニールを外して埋めてくれた。
  大勢の人たちの協力で、瞬く間に周り一面、松の苗木が頭を覗かせていた。達成感と充実感に満たされ、ハイタッチと握手をし、お互い満面の笑みで喜びを分け合った。
  ここ中国の広大な大地が緑に覆われる時を願って、綿々と植樹活動を続けてこられた先達の方々のご苦労に改めて深い敬意を表したい。「継続は力なり」の団長の言葉を噛みしめている。