退耕還林、中国の変化を見る

鎌田 俊夫

 今年7月の第12次植樹訪中団に参加した。
  平成8年9月の第一次植樹訪中団に参加して以来の13年ぶりのことだ。いえば、突如、冬眠から覚めたカエルのようなものだが、しかし、事情が許さなかった。このMGG事業を軽んじたことは一度もない。
  だが、13年の歳月は大きかった。コツコツと雨だれは岩をも穿つというが、実態を目の当りにして、続けることの大切さ、続けることのご苦労を思った。
  この度、倉又、永井先生の外、上野支部の先生方やご参加の皆さんとご一緒させていただいたことをとても幸に思う。楽しい植樹行であった。
  顧みて、聞けばもともと困難な事業であることを承知のうえでの始まりだったと聞く、決断に相当の勇気も要ったことだろう。
  硬い仕事の私たちに、えっ、そんなこともあるの?と言われる。まさに私たちは、黄砂を防ぎ、手を携えて地球環境を守るという一大事業にチャレンジしているのだと思う。
  この事業が日税連レベルまで持ち上げられたら、もっと素晴らしいものになるだろう。
  私の第1次植樹団は、石ころだらけのシラムレン村だった。陰山山脈を遠くに望み、見事な夕映えに感動したものだが、活着に成功しなかった。もう二度と訪れることはないだろうが少し寂しさも感ずる。
  今回の訪中で、その後に続く3次、5次等の植樹地を巡ることが出来た。険しい場所もあって近づけなかった所もあったが、多くの皆さんの汗と努力の結晶を見た。
  中国は変わった。退耕還林、それは無秩序の放牧・耕作で失った樹木、緑を取り戻そうということだ。
  現在、中国政府は植樹の日等を定め、国土の緑化保全に真剣に取り組んでいる。