植樹旅行に参加して

石橋 光朗

 上野支部出身で当年85歳の倉又団長からお誘いを受けたことが直接の動機で、12回目にして始めて参加いたしました。
  植樹の動機は、当初薄かったのですが、愚妻が北京生まれである事、上海を通して中国の発展ぶりを確認したい思いがあった等々、三拍子そろったので胸を張って出発しました。北京に着いて当初行く予定の天安門は今後いつでも行けるという事で、急遽予定を変更し盧溝橋を見学し、肉眼を通して日中の歴史を学びました。
  主たる目的のモンゴルでの2日間の植樹作業は、若者との共同作業で汗を共にかき、声を掛け合い若者の気持ちよい協力に大変新鮮な感銘を受けました。今まで植樹した実績を現場案内を通じて知りましたが、中々の壮観でして、私が今まで考えていたイメージを遙かに超えていました。倉又団長が今回の旅行で何度も発せられた「継続は力なり」「千里の行も一歩より」を実感いたしました。
  今や世界に環境問題が大きな国際的課題となり、国際標準化機構(ISO)ではSR(社会的責任)のガイドライン(ISO26000)策定作業も進められており、まさに地球規模でSRを問い直す動きが盛んであります。東京税理士会がその緑化事業の一翼を担っている事は、改めて素晴らしいと思いました。
 最初のモンゴルでの2泊は、日本で云う国民宿舎の感じのホテルでしたが、トイレの水は出ず、ゴミ箱に水を溜めて汚物を流すというお粗末なホテルでした。私はモンゴル出身力士が物資豊富な生活環境で育った日本人力士を圧倒している背景を身をもって知ることが出来ました。幼い時から質素な生活環境で自然に育てられた根性こそ、今のモンゴル相撲を支えていると思いました。今度のモンゴルは、一国として独立しているモンゴルではなく中国内の自治区のモンゴルでしたが、今や大変近代化が進んでいます。
 植樹を終え帰国途上に寄った上海の人口規模、ビルの林立規模は東京の比ではなく、中国を改めて見直す良き機会であったと思います。
 最後に植樹作業のもつ公益的意義は、税理士という職業が公益性を本質としている限り接点があり、また、若者との共同作業という楽しい思い出と共に、今後も是非参加したいと思いで帰国したのであります。