ゴビ沙漠のあゆみ

<お知らせ>
本年2021年6月3日開催の第18回通常総会において、中国ゴビ砂漠植樹活動及び植樹管理業務委託の終了を決議いたしました。今後は東北植樹、青梅梅の里再生事業への協力を中心に、新たな植樹地についても検討を行っていく予定ですので、ご理解とご協力を賜りますようお願いいたします。





●なぜ「ゴビ沙漠」なのか
  環境問題への取組みは、地球的規模から の視点が必要であり、現実的には経済効率 的側面も考えなければなりません。
 中華人民共和国内陸部では、黄河や長江 流域で森林伐採による耕地化を進めたため表土の保水能力が低下し、 水土流失の原因となっています。1998年の大水害もこれが原因と いわれています。同時に水不足も深刻化し、黄河では断流も日常的な ものとなり、毎年新たに砂漠化する面積は神奈川県より広い面積とな っています。
 日本にも影響を及ぼしている黄砂現象の原因となっている中華人民 共和国内陸部の砂漠化を防止しようとする運動は、地球全体の環境問 題を考えるいい機会になるのではとの思いがありました。
 また、当時、ポプラの苗代と植樹・育成費用を合わせて1本当たり 約150円と、同じ金額を使うにしても非常に経済効率は高いもので した。これらの状況は、現在でも大きくは変わっておりません


●「ゴビ沙漠」ってどこ
 日本では、「ゴビ沙漠」というと中華人民共和国或いはモンゴル国にある大きな砂漠というイメージをもつ方が多いと思いますが、「ゴビ」という砂漠のある場所はありません。
 中国人民共和国の西部から北部にかけては、サハラ砂漠より広い世界一のタクラマカン沙漠を始めとして、多くの砂漠や荒地が偏在し、モンゴル国まで広がっています。
 蒙古民族が居住する内蒙古自治区及びモンゴル国では、砂礫の広がる草原、荒地を「ゴビ」と呼んでいます。地図上で表記されている場合は、「ゴビ」が偏在している一帯(地方)を指していることになります。
 なお、「砂漠」と「沙漠」の使い分けですが、本基金では、中華人民共和国内の固有名称のものは「沙漠」と表記し、一般的に使用するときには「砂漠」と表記するようにしています。


●植樹、育成の場所はどこ
 本基金が提携している(財)日 本産業開発青年協会が中華人民共 和国北西部にある内蒙古自治区 (面積は日本の3倍)政府の要請 を受けて、植樹育成事業を行って いる地域です。
 現在は、九州の約2倍の面積 (7千平方q)を持つオルドス市 のクブチ沙漠とオルドス台地の2ヶ所 で植樹し、育成をしております。
 クブチ沙漠ダラトキ地区の半砂漠地の88ヘクタールを「税理士の森」 としており、1996年(平成8年)からポプラの植樹を始めました。
 植樹した苗木の成育率は、気候の影響や兎等による食害などのため、 平均すれば60%弱となっており、2003年(平成15年)3月現在 では、およそ20ヘクタールに約3,200本が成育しております。
 グランドキャニオンを思わせるオルドス台地のトンション地区には、 地元青年団体が受け持つ緑化指定区域の一画に、2001年(平成13年) から毎年2000本程度の松の苗木を植樹しております。


●現地の反応は
 中華人民共和国でも、国内の砂漠化に手をこまねいているわけではなく、1980年頃から環境対策に本腰を入れて次々と法整備を図り、国民の関心も徐々に高まっています。
 しかし、例えば、蒙古民族は遊牧の民ですから、いきなり放し飼いを止めろと言ってもすぐにはできないように、一般市民には徹底してない面があるようです。
 そんな中、我々が植樹を続けている地域では、植樹訪中の際には地元中高生とともに行う作業を通じて、わざわざ日本から植樹にきていることに感動を与えているようで、若い世代から意識改善が進んでいる手応えを感じております。
 ダラトキ地区でも、2,000年(平成12年)に内蒙古自治区政府が打ち出した羊の放牧の全面禁止にすぐに従ったわけではなかったのですが、植樹効果と放牧禁止により、今まで荒れていた土地に牧草が茂ることを体験し、現在はほぼ守られるようになりました。
 トンション地区では、風を防ぎ雨水を利用する植え方を採用し、これまで低かった成育率の向上が見込まれることなどから、中華人民共和国政府からモデル地域の指定を受けています。




●植樹団報告

 NPO法人「MGG基金」の前身である「東京税理士会モア・グ リーン・ゴビ」運動推進委員会では、1996年に第1次植樹団の派遣を始め、2002年のNPO法人化を経て、以後2011年までに計14次にわたって植樹団を派遣し、ゴビ沙漠の緑化に貢献しています。



     
 
 
     
 
 
     
 
 
第8次植樹団
     
 
 
         
  第11次植樹団
         
第13次植樹団
第14次植樹団
         

第15次植樹団 派遣中止